歯科治療の治療期間について①

私の治療はいつ終わるの?

経験のある方ならばご存知だとは思いますが、治療が完了するまで歯科医院に通院するのって、とても時間がかかりますよね。

私どもも本当に気の毒なことと思いつつも、長年のお付き合いをしている患者さまは多いです。

はっきり言いますが、歯科の治療には時間がかかります。と、言うより、一生のお付き合いをする気持ちで私どもは患者さまと接しています。ですので、生涯付き合える先生探しも必要ですし、それを見据える事のできる先生は相対的に腕がいいと思います。

歯科の治療には終わりがあると思っている患者さまもおられると思いますが、私どもはそうは思ってはいません。ただ、違いがあるとすれば急性症状(痛みを発したり、腫れたり、傷があるのですぐに直す必要のある歯や歯茎など)は治療がすぐに必要と判断します。

そのような部分だけを治療してもまだ、進行中の虫歯があればその治療も必要です。更に言うと将来的に、今後痛みや不調和を訴える可能性の高い歯もあれば、経年的に必ず起こりうる痛みや不調を見据えて、その治療の必要性も有れば治療の範囲になるでしょう。

40歳以上の国民の8割以上が罹患している歯周病に限って言えば、完治はあり得ません。何故かというと、歯周病は歯がある限りかかる可能性のある病気ですので予防が必要になりますが、生活習慣病の一つとされていて、治療するには継続的な予防しかないからです。ちなみに「歯周病は人類史上最も感染者の多い感染症である。」ということでギネスブックにも掲載があるそうです。

また、歯がない方でも入れ歯の治療もありますし、オーラルフレイルという口腔機能の衰退の問題に、特に歯科医療的なサポートが重要であることがようやく医学的にも最近は知られるようになってきています。

そんなことばかり言っていますと患者さまはげんなりしてしまいますよね。

ですので、私ども歯科医師的な立場でいうと、一般的に定義する終わりとは「連続的に通院する必要のある病状が改善した状況」という事と大多数の先生が考えていると思います。

患者さまの立場に置き換えると、「次からは定期検診になります。」と言われれば連続した通院からは解放されることになると思います。

歯科の治療に終わりは無いのですが、定期検診までこぎつけることが患者さまにとっての治療の終わりと捉えてもらって構わないと思います。

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