歯の病気に関して言えば、大別すると虫歯と歯周病が有ります。
一本あたりにかかる治療時間は虫歯の場合ですと、軽度の虫歯ならすぐに終わり、重度になればなるほど時間がかかります。
こう言ってしまっても良く分からないでしょうから、今回は虫歯についての治療について掘り下げて説明してみたいと思います。
その前に歯科医療の発展によって、昔と今は何が変わったのかについて話してみたいのですが、皆さまは何が変わったと思いますか?
100年ほど前は歯科の治療の中心は何だったでしょうか?
1世紀以上前の歯の治療は抜歯、入れ歯などが歯の治療の中心になります。つまり、痛くなった歯は痛みを止めるために我慢して抜くしかないという有様でした。無い歯は噛みにくいので歯の代わりの入れ歯を作る。歯の治療は文化によって様々ですが、基本的には痛い歯は抜くのが当たり前だったという事になります。
現在の歯科医療は何が違うでしょうか。
抜くことが当たり前の世界から治療が進化して、抜かなくても、歯を残す技術が進化しました。それから、虫歯にならない研究、歯周病にならない研究が進み、それぞれの予防法が進化しました。また、歯を失ってしまっても歯の機能を回復できる治療が進化しました。
話を戻しますが、昔であれば抜歯になるような治療を普通に噛めるように回復させる治療が一番時間がかかるのではないかと思われます。
歯を抜かないで残す治療を保存と言います。歯科大学などにも色々科目があるのですが歯科に「保存科」というものが存在します。歯を抜かないでいいように口の中に保存させる治療を体系化した科目になり、目的ごとに「保存修復」「歯内療法」「歯周療法」と大まかに三つに分かれます。
実は抜かないといけないような歯になればなるほどこれらの科目ごとに治療の内容が増えてしまうのですが、実際のところは皆さまはたいてい一つの歯科医院を通院することになります。先生はたいていの場合は同じ歯を一人ですることになりますので、患者さんは同じ歯科医院でたくさんの科目の治療を受けていることになります。
もしも虫歯が神経まで達してしまった場合はまず「歯内療法」科に受診し、歯の神経の治療を数回実施し、「歯内療法」が一段落したら次は「保存修復」科を受診して虫歯の治療を終わらせる。それと、「歯周病」科に通う事も必要になります。たった一本の虫歯でも、それが進むほど一人の先生は色々な科目の治療をしなければならないのですから、そのような場合は当然ながら治療に時間がかかってしまうのです。
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