保険の治療でも良好な結果を得るには③

良い歯科医院を見つけるためのポイント

前回、保険の治療についての内情的なおはなしをさせていただきました。

保険の治療では何処も治療費は変わらないという事をお伝えしましたが、それでは何を基準に病院を選ぶべきかについて今回はお話ししてみたいと思います。うちの医院が特別という視点で話すつもりはありませんので参考にしていただけると幸いです。

まずは、ありきたりなのですが、色々な医院を受診してみる事が大切だと思います。

気軽に、歯周病の治療や歯の検診などで受診されるのがおすすめです。

また、この際にもポイントがあるのですが、ここで大切な事は虫歯や病気の指摘を受けても、歯を削ったりする不可逆的な治療を受ける際には、ご自身が納得するまで治療には気軽に応じないという事です。強い痛みや緊急性があって受診されてあるのであれば話は別になってくるのですが、特に困っていないけど治療を強要してくる場合は納得するまで治療に応じる必要はないということです。

歯科医院側も考えなければいけない事ですが、大切なのは「患者さま自身が治療に対して積極的に治す事を望んでいるかどうか?」ですので、患者さま本人が困っていない事に対して「治さなければいけない」と強要するのは患者さま本人の自由意思に反することだと思います。また、そのようなお気持ちでいるのにお金も時間も治療の痛みも患者さまが負担するのですから、たまったものではありません。

初診時に患者さま自身のご要望をはっきりさせる事も大切ですが、担当医の先生の自己主張が強すぎる医院は、患者さまを大切に扱っていただけない可能性が高いのではないでしょうか?

患者さまの理解を得ていない治療に対して、その必要性や危険性について患者さまと話さないのは、理由はどうあれ押し売りに近い行為ですから、削っても元に戻らない治療に入る前にはきちんとその理由は聞きましょう。

後、もう一つ、歯科でも名医と呼ばれるような先生は、お口の中を総合的に判断し、他の医院では指摘されなかったようなことを指摘することも有ります。将来的な患者様の問題を指摘できるような先生は腕がよいと思われますが、それが自分にとって必要な治療かどうかは自分自身で判断するしかありません。その為にも治療すべき理由を理解することが大事になってきます。

ですので、削る理由が有って患者さまご自身が納得すれば良いのですが、いきなり患者さまの意思確認無しに痛みもない歯を削ろうと主張するような歯科医院はやめた方がいいです。

次に、やはりというか、こればっかりはどうしようもない事なんですが、歯科医師になりたての先生が主治医である場合はあまりお勧めできません。どんなに上手な先生でも歯科医師になっていきなり上手な治療はどうやっても無理だと思います。というよりは先生自身の視野が広くないので判断する力が備わっていないのと、自分で治療した結果の数年後を自分自身で見ていないからです。このような意味においては勤務されてある先生でも、職場を転々とされてあるような方は実に無責任な治療を続けていると思われます。

極端な例ですが主治医が「この治療は10年はもちますよ。」と言ったとします。その先生の経験が5年の臨床経験しかなければ、もしくは勤務先が変わって以前治療した患者さまと関係が無くなれば、その先生は自分のした治療の10年後を知らないのに言ってる事になりますので、そのような無責任な発言ができる先生は信用しないほうがいいのでは無いかと思います。

ただ、経験豊富な先生を中心として仕事を分担しているようなクリニックであれば、先生が若くても、全部の治療を行うわけでなく、最終的に経験豊富な先生が責任を持つのであれば大丈夫かとは思います。

最後に、主治医の先生とウマが合わないのはやめたほうがいいでしょう。何度も言いますが、保険では治療の対価は同じです。そして歯科治療自体、患者さまによっては、何回も通院しなければならないのです。頻繁に会う先生とウマが合わないのは、絶対にお勧めしません。

「私の主治医、偉そうで毎回いやな思いしかしないけど、治療が終わるまで頑張ろう。」と思っているかもしれませんが、治療は終わりません。

虫歯などの必要な治療が終わった後は、定期健診があります。

最低でも1年に1~2回以上これから会うことになる人とウマが合わなければ続きません。出来るだけ一生付き合えると思える先生が見つかるまで色々な先生にお会いするほうが良いと思います。

また、同様の理由で、虫歯などの治療が一通り終わった段階で「後は、もう来る必要は有りません。」と言い切る先生は問題が有りそうです。例えば虫歯なら銀歯をかぶせてもすり減ってきますし、経年的に銀歯や詰め物の境目から虫歯になることも考えられます。また、歯周病はメンテナンス必須の病気ですので、数年間歯に全く問題がないというのは、かなりレアなケースです。

ですので、治療が終わったから歯科医院に行く必要がないと言い切る先生は、その患者さまと一生付き合う気は無いのかもしれません。ただ、さすがに最近はあまりそのような先生はいないと思います。

良好に治療をお受け頂く事に一番大切なことは患者様自身が積極的に治療に前向きになれる、良いパートナーとしての主治医と出会えるかが一番大切です。

まだ、そのような先生に出会えてない場合は、先生の技術も、経験も、もちろん重要ですが、一生付き合える主治医を見つければそれに勝るものはありません。その為にも、機会が有れば出来るだけいろんな歯科医院を受診されることをお勧めいたします。

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