保険の治療でも良好な結果を得るには⑤

主治医にはっきり伝えたら満足出来た

前回、保険治療でも患者さま自身が満足いく治療をしてもらうには、主治医に伝えるべき事をはっきりさせる事が大切であるという事を解説いたしました。

今回はそのようにはっきり言う事が良い結果につながった例をお話しします。

患者様は女性で見た目が一番大事だと思っていました。でも、以前通っていた病院では自分の望んでいる治療は保険がきかないと言われて、なるべくそのような治療の事は聞かない方がいいなと思っていました。その病院では痛い歯があったので診てもらったら、神経までやられていて神経を取らなくてはならないと言われました。

A先生「この歯は虫歯が進みすぎていて、多分神経を取らないと痛みがひどくなるばかりですよ。放置しすぎましたねー。寝れなくなるほど痛みがひどくなるかもしれませんが耐えられますか?」

「神経取るってどういうこと?もしかして歯がなくなる?」

怖くなったので、先生に聞いてみました。

「A先生、歯を抜くんですか?」

A先生は「は?」というようなあきれ顔で「いや、歯をぬくんじゃなくてー、」と延々説明を受けた事を憶えています。

ただ、馬鹿にされているような気がしたので、それ以上治療の事を聞くのはやめました。

そうこうしていて治療には通い続けたのですが、最悪な結果が待っていました。

治療に通ってかれこれ1か月目ですが、痛かった歯もよくなって次に歯が入るという時でした。

A先生「OOさん、今日は型取りしてた歯が出来ましたよー。」

やっとこの治療が終わりだ。良かったー。

A先生「今からこの銀歯を入れます。調整していきますねー。」

A先生「どうですかー?だいたいいいみたいですねー。じゃ、つけますねー。」

A先生「はい、じゃあ、終わりになります。痛みが取れて良かったですねー。」

と言われて鏡で見てみると、治療した下の奥歯には大きな銀歯が入っていました。「げー、これが私の奥歯?めちゃめちゃに銀色じゃん。しかも下の奥歯。笑えない。口なんてあけて笑えない。」「もう最悪。全然良くない。」「てか、もう二度と行かない。」

余りにもショックすぎて、その日からは絶対虫歯にならないと決めて歯ブラシは1日3回しっかりするようにしました。

そのようなことも有って、歯を磨くたびにこの銀歯が気になってしょうがなかったので、とうとう高い歯を入れてでもこの銀歯を変えようと思いました。ただ、せっかく高い歯を入れるのだから、やっぱり別の病院に行くことに決めました。

結局、友達に聞きまくって評判の良い歯医者に変えることにしました。

新しい病院では、また初めからなので色々聞かれましたが、思い切って言ってみたのです。

「銀歯を白い歯にしたくて来ました!高いですか?」

B先生「もちろん、ピンキリで色々ありますよ。」

B先生「こちらが白い歯のメニューになります。」

見せてもらったメニューはレストランのメニューよりも沢山のゼロが付いていたので、正直怖くなってしまいました。

しかし、もう、「5万でも10万でも白い歯にするんだ!」と考えていたので思い切ってこう聞いてみました。

「先生、保険では白い歯は無理なんですよね。」

B先生「うーん。ちょっと、もう一度診せてもらってもよいですか?」

はい、聞いた自分が悪かったです。5万10万確かに高いです。でももう決めました。どうせなら聞かなければよかった。先生に聞いた私が馬鹿すぎました。ただ、また、馬鹿にするのだけはやめてください。せっかく、歯医者変えたんだし。

といろいろ考えていました。

B先生「お、これはいけるかな?」

は?先生今なんか言った?

B先生「一応、セラミックとかに比べると色々異なる点があるのですが…」

いや、そうじゃなくて、その前。

B先生「保険でも出来ないことではないですよ。」

は?

「保険でも、白い歯が入れれるんですか?奥歯は無理って聞いてたんですけど。」

B先生「実は今年からなんですけど、保険でも条件が揃えばこの歯の銀歯は白い物に出来ますよ。一万円ほどはかかりますが。」

え、

神、神でしかない。B先生、神。

「え、もしも保険で出来るなら、そっちでしてみようかな?」

私は結局B先生にお願いして、銀歯を白い歯にすることが出来て満足をしています。

さて、このお話ですが、保険の治療の話です。実際歯科医院側からするとよくある話ではあるのですが、問題は患者さまが要求しない限り、あまり詳しく説明をしない医院が多い事に原因があります。

また、医院側としても説明には時間がかかる上に患者さまが要求している事が何かを判断することが難しいということもあります。

この話については、医院側の要件というものもあります。難しい話ですが、保険の治療には、歯科医院側も届出と認可というものがあります。このような治療の届け出を厚生局に出しているか出していないかでも、このような治療が出来る医院とそうでない医院が有ります。

保険治療の認可については調べようと思えば、厚生局のホームページから調べることもできるのですが、そこまで調べる患者さまも少ないと思います。

ただ、ここで言いたいのは、患者さまが知らないことは説明しなくても良いと思っている歯科医院が大多数であるという事であって、このようなサイトで保険の治療に対しても知識を備えて頂けると、自ずとこのように治療に余計な不安を抱く必要がないのではないかと私自身が思っているからです。

私の歯科医院でもいえることなのですが、限られた時間内でお互いの時間を消費して説明することはお互いにもったいないと思います。ですからこそ、患者さまもある程度知った上で色々な歯科医院を受診して、しっかりと主治医の先生に伝えていきましょう。それが受け入れてもらえないなら、受け入れてもらう歯科医院を探していく。そういったことの結果で本当に患者さまが本人が、良好な治療結果を生むことへの自己実現になると思います。

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