時間の大切さと保険治療について

予約時間を守って行ったのに待たされた!の何故

患者様にとって歯科医院でお過ごしいただく時間はなるべく治療に専念したいですよね。私どもにとってもそれは同様の事実。予定時間内に患者様の予定の治療メニューを完了させることが、我々の優先すべきミッションでもあり、また、患者様に要求されることでもあります。

治療枠が1時間であれば、1時間内に目的の虫歯をやっつける。それが私たちに出来れば何の問題もありません。

しかし、私どもにとってそれはそれほど簡単なことではありません。

実際に虫歯の治療を受けたことがある方ならご存知だと思いますが、治療した歯が治療前同様に噛める事を当たり前と考えていますよね。

それは当たり前でよいのです。

虫歯を削ったところは何かで埋めたり、補ったり。そうやって元ある歯の形を再現していきます。

こういった経験はございませんか?

歯医者「今日はむしばのちりょうをしますねー。」「ますいしますよー。」

キーン、ガリガリ・・・

「はい、OOさん今日の治療は終わりですよー。お疲れさまでしたー。」

患者様「え、何だか噛み合わせが変なんですけどー。」

歯医者「え、そうですかー?ちょっと見てみますね。」

キーン、ガリガリ・・・

歯医者「OOさん、どうですか?」

患者様「いや、まだ変です。」

歯医者「OOさん、まだ変ですか?」

患者様「いや、もうちょっと削ってもらっていいですか?」

歯医者「無言」

キーン、ガリガリ・・・

歯医者「このくらいで様子見といてください。」

患者様の心の声「え、様子見るってどういう事よ?終わりかよ?何か歯もザラザラしてるし!」

患者様「はい...」

このようなやり取りってなぜ起こるのでしょうか?

患者様の言い分「もう少し時間割いてでも、いいかみ合わせに戻すのが当たり前でしょう!」

歯医者の言い分「次の患者も待ってるし、これ以上はこの方に時間を費やすのは無理だな。変だったら次の治療で何か言ってくるだろう。」

両方ともに最悪ですよね。WINWINどころの話ではありません。

このような問題の原因としてはお互いの時間意識のズレが生じさせた問題だと思います。

歯医者は時間内に片付くと思っていたところ想定外の事に時間のロスが生じる。

患者様は時間内に終わると思っていたのに思っていた結果と異なる状況で帰らされる。

私の立場から物申しますと、これを解決するのはかなり困難な問題で多くの歯科医院の収益は保険治療に依存しております。それでは歯科医院が保険の収益で十分な生計が立てられるかというとそうではありません。

従って治療行為にかけられる時間って大半の医院ではかなりシビアな問題です。せいぜい一本の虫歯治療にかけられる時間は保険なら、長くても30分前後でしょう。(内容によってはそれ以下かもしれません。)従って保険の治療ならば通常一人の患者様にかけられる時間は1時間以上なんてほぼ無理な状況と思われます。

現状では保険治療でWINWINの結果を出す事は日本の社会的な状況からは困難であるという事をまず頭に入れておいてください。

患者様の望む完璧な治療は保険では有り得ない訳ではないのですが、それに取り組む歯科医院は少ないという事は圧倒的な事実なのです。

保険治療でもお互いが満足のいく結果を生じる可能性について次はお話してみたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました